内痔核の硬化療法について
日本人の3人に1人は痔で悩んでいるといわれています。痔には大きく分けて「いぼ痔(痔核)」、「切れ痔(裂肛)」、「あな痔(痔ろう)」に分けられていますが、それぞれ症状は異なります。 痔の患者さんの中でもっとも割合が高いのは「いぼ痔(痔核)」です。いぼ痔はさらに、直腸側にできる「内痔核」と肛門側にできる「外痔核」に分けられます。 排便時、あるいは普段からイボが出たままになっているような「脱出を伴う内痔核」に対して、切らずに注射で行う治療が硬化療法です。
硬化療法の手順を示します。 1.肛門周囲への麻酔(局所麻酔)か、下半身だけに効く麻酔(硬膜外麻酔)を行い、肛門周囲の筋肉を緩めて注射しやすくします。 2.ひとつの痔核に対して4か所に分割して薬液を注入します。 複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。
硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸を主成分とする薬剤を内痔核に注射、痔に流れ込む血液の量を減らして、痔を硬くし粘膜に癒着、固定させることで出血症状、脱出症状を改善する治療法です。投与後、効果はすぐに現れます。出血が止まり、組織が硬くなって痔核は次第に小さくなっていき、1週間から1カ月後には痔核が肛門から脱出することもなくなります。痔核を切除する手術と比べて、痛みを感じない部分に注射するので、痛みもほとんどありません。
痔でお困りの方はご相談ください。
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